現場のヒヤリハット実話4つ|“運が良かっただけ”で済ませない【安全週間】

現場のヒヤリハット実話4つ|全国安全週間(もこブログ) 工場生活

7月は全国安全週間(7/1〜7/7)です。せっかくの機会なので、私自身が現場で「ヒヤッ」とした瞬間を、棚卸しのつもりで書いてみます。

どれも、ケガには至りませんでした。でも正直に言うと、防げたというより「運が良かっただけ」のものばかりです。

ヒヤリハットには、ハインリッヒの法則という考え方があります。1件の重大事故の裏には、29件の軽いケガ、そして300件のヒヤリハットが隠れている——という比率です。今日の4つは、まさにこの「300」。ここで気づいて手を打てるかどうかが、その先の「29」や「1」を分けます。

ハインリッヒの法則:1件の重大事故の裏に29件の軽いケガと300件のヒヤリハット

① エアーで切粉を飛ばしたら、目に入りそうになった

切粉をエアーでシュッと飛ばしたら、跳ね返った切粉が顔に戻ってきて、危うく目に入りそうになりました。

切粉は鋭くて、しかも熱い。目に入れば角膜を傷つけますし、鉄やステンレスの粉が残ると錆びて炎症が長引き、最悪は視力に関わることもあります。

調べて私も知ったのですが、そもそもエアーで切粉を吹き飛ばす清掃は、安全の世界ではあまり推奨されていません(粉じんを飛び散らせるため)。じつは私の現場でも、汎用機なら荒神(こうじん)ほうき、大型機なら普通のホウキで、まず大まかに掃いておくのが昔からの文化でした。あれは理にかなっていたんですね。大きい切粉はホウキやフックで先に取って、細かいものは吸引(バキューム)で吸う。エアーは「どうしても」のときの最後の手段にしています。使うときは圧力を絞って、人のいない側へ向けます。そして保護メガネは「ちょっとだけ」でも外さないようにしています。

② エアーグラインダーの刃が弾かれて、体に当たりそうになった

エアーグラインダーを使っていて、砥石(といし)が材料に食い込んだ反動で、工具ごとバチンと弾かれ(キックバック)、体に向かってきました。

グラインダーは毎分1万回転ほどで回っています。弾かれた工具が顔や腕、太ももに当たれば、それだけで大ケガです。

防ぐコツは、弾かれる方向(刃が走る先)に体を置かないことです。両手でしっかり持って、補助の取っ手(サイドハンドル)は外さない。加工物は手で押さえず、クランプや万力でしっかり固定します。カバーは付けたまま、使う前に試運転と点検をします。ちなみに、グラインダーに丸ノコの刃を付けて切るのは厳禁です(高回転に耐えられず、弾かれや破損でケガをします)。

③ 段取り中、立ち上がったら突起にぶつかった

門型の5面加工機の段取り中、しゃがんだ姿勢から立ち上がったところに切削工具があって、頭(ヘルメット)をぶつけました。

立ち上がる動きは上に勢いがつくので、硬く尖った金属に当たると、切り傷や裂き傷になったり、当たりどころによっては首をいためたりします。

一番効くのは、主軸に工具が付いているときは、横着せず、頭がぶつからない位置まで大きく逃がしておきます。そのうえで、立ち上がる前に一度止まって、頭上を確認してから、片手を添えてゆっくり立ちます。

④ クレーンを逆に押して、挟まれそうになった

天井クレーンで荷を動かしていて、操作を逆方向に押してしまい、荷が自分の方へ迫ってきて、構造物との間に挟まれそうになりました。

これは4つの中で一番こわい話です。製造業の死亡災害では「はさまれ・巻き込まれ」がおよそ3割と多く、クレーン作業はその代表的な場面です。しかも逆に操作すると荷が“迫ってくる”方向に動くので、気づいても逃げ場がありません。一瞬で重大事故になります。

だから、荷と壁や柱の間(逃げ場のない側)には体を置かないようにしています。先輩に教わったのは、荷の進行方向とは逆の、斜め45度くらいに立つことです。そうすると荷は自分から離れていく向きに動きますし、進路も横から見えて、いざというときに逃げられます。操作器は向きを指差しで確認して、まず少しだけ動かして向きを確かめます。振れた荷を素手で押さえて直そうとせず、離れた位置からロープ(介錯ロープ)で導きます。「地切り30cm・3秒確認・荷から3m」を合言葉に。

現場のヒヤリハット4つと対策:エアブロー・グラインダー・段取り中の激突・クレーンの挟まれ

ヒヤリハットは、隠さず共有してこそ

4つとも、「当たりそうになった」で止まったのは運が良かっただけです。一歩ずれていたら、ケガをしていました。

ヒヤリハットは、恥ずかしいことでも、怒られることでもありません。むしろ宝の山です。「危なかった」を職場で出し合って記録するほど、まだ起きていない誰かのケガを防げます。共通しているのは、どれも「ちょっとだけだから」「慣れているから」という油断から始まっていること。だから、作業前のひと呼吸(KY・指差し確認)が効くんですよね。

全国安全週間は、自分の「危なかった」を思い出す、いい機会です。みなさんも、ヒヤッとした瞬間、ありませんか。

以上、ご安全に!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました