え?この式すごくない? 90°エルボ(配管)の角度切り計算と寸法早見表【2026年版】

配管 工場生活

こんにちは!

この記事は、2022年に書いた「90°エルボ(配管)の計算式」を、2026年版として大幅にパワーアップさせたものです!

もともとは、配管に全くの無知だった私が先輩から教わった計算式に鳥肌が立って、勢いのまま書いた備忘録でした。それが今では、このブログで3番目に読まれている記事になっています。ありがたい限りです!

そして検索のデータを眺めていて、あることに気が付きました。この記事にたどり着く方の多くが、「エルボ 角度切り 計算」で検索されているんです。

つまり皆さんが本当に知りたいのは、90°エルボを好きな角度に切るときの寸法の出し方なんですよね!それなのに元の記事には角度切りの話がひと言も出てこないという・・・。笑 そこで今回は、元の記事の内容はそのままに、角度切りの計算式カット寸法の早見表を主役に据えてまとめ直しました!

まずはおさらい!90°エルボの寸法計算

最初に、元の記事で紹介した式のおさらいです!

配管系統の設計でエルボを使うときにまず必要になるのは、端面から中心までの寸法(下の図のF)だと思います。

90°エルボのF寸法(中心から端面までの寸法)

このFは、エルボのインチ数が分かれば次の式で一発で出せます。

ロングエルボ

F=インチ(B呼称)×38.1

ショートエルボ

F=インチ(B呼称)×25.4

初めてこの式で計算してみたとき、寸法一覧表の値とピッタリ合って、正直鳥肌が立ちました。この式のおかげで、一覧表と睨めっこする日々から解放されたんです。。。笑

※式の中の「インチ」について

配管のサイズには「呼称」というものがあり、一覧表には「A呼称」「B呼称」と記載されています。A呼称はミリ系、B呼称はインチ系で、この式で使うインチは「B呼称」の値です。

例えば50Aの配管ならB呼称は2B(2インチ)なので、ロングエルボなら F=2×38.1=76.2mm となります!

※なお、20A以下の小さいサイズでは、この法則どおりにならない例外がありますのでご注意ください。

見た目でサイズを判断できなかった私は、外径の測定と、配管やエルボに印刷されている刻印を見てサイズを確認していました。

この式を教えてくださったのは、SQDCや5S3定の記事に登場した大先輩Oさんの、さらに先輩。定年後もシニアとして現役バリバリで活躍されていた、まさに「大・大先輩」です!

配管のことが右も左も分からなかった私に、サッとメモ書きでこの式を教えてくださいました。自分で計算してみたら一覧表の値とピッタリ一致して、正直鳥肌が立ちました。

ロングとショートって、そもそも何が違うの?

元の記事では「ロングは38.1、ショートは25.4」とほぼ丸暗記状態で書いていましたが、この数字の意味もあわせて整理しておきます!

エルボを真横から見ると、配管の中心線は円弧(円の一部)を描いています。この円弧の半径を曲げ半径Rと呼びます。

ロングエルボは曲げ半径が呼び径の1.5倍(R=1.5D)、ショートエルボは1.0倍(R=1.0D)と決められています(JIS B 2312)。

ここで1つ注意なのが、この「D」は呼び径(B呼称のインチ×25.4mm)のことで、実際の外径ではないということです!例えば50Aの外径は60.5mmですが、ロングのRは「60.5×1.5=90.75mm」ではなく「2インチ×38.1=76.2mm」。ネットには「外径の1.5倍」と書いてある解説も見かけますが、JISの寸法表と一致するのは「呼び径基準」の方です。

1インチ=25.4mmなので、

  • ロング:R=インチ×25.4×1.5=インチ×38.1
  • ショート:R=インチ×25.4×1.0=インチ×25.4

・・・ん?どこかで見た数字ですよね?

そうなんです。実は90°エルボの場合、F寸法は曲げ半径Rとピッタリ同じになるんです。あの「38.1」と「25.4」の正体は、曲げ半径だったんですね!

本題!90°エルボを好きな角度に切る計算式

ここからが2026年版の主役です!

現場では、45°や30°など、90°ではない角度で配管を曲げたい場面がよくあります。そんなときに90°エルボを斜めに切断して使う、いわゆる「角度切り」です。

問題は、どの位置で切ればいいのか。ここで登場するのがこの式です!

エルボの芯(中心)から切断面までの寸法=R×tan(θ/2)

  • R:エルボの曲げ半径(ロングなら「インチ×38.1」、ショートなら「インチ×25.4」)
  • θ:欲しい角度(45°エルボが欲しければ「45」。「90°から何度削るか」ではありません!)

そして1つだけ、超重要な注意です!

この式で出るのは「エルボの芯から、片方の切断面までの寸法」です。両端を対称に切って全体の縮み具合を見たいときは、この値を2倍してください。「どこの寸法を出しているのか」を取り違えると、切る位置を間違えてしまいます!

例えば、50A(2B)のロングエルボを45°に切りたい場合。

R=76.2mm、tan(22.5°)≒0.4142 なので、 芯から切断面までの寸法=76.2×0.4142≒約31.6mm エルボのサイズと欲しい角度さえ分かれば、電卓1つで切る位置が出せる。これを知ったときも、やっぱり鳥肌が立ちました。

90°エルボ 角度切り 計算ツール
呼び径・エルボ種類・切りたい角度を選ぶと、切る位置の寸法が自動で出ます。
曲げ半径 R(=90°のF寸法)
芯→切断面 = R×tan(θ/2)
両端を同角度でカット(×2)
※対象は25A以上(15A・20Aは式の対象外で、ロングはF=38.1mmで頭打ち)。※「両端×2」は両端を同じ角度で切る場合のみ。※板厚・開先・溶接すき間を含まない図形上の寸法です。手元のエルボ(ネック付き等は寸法が異なる場合あり)は必ず実測で確認を。※角度はDeg(度)/JIS B 2312のF寸法ベース。

なんでこの式で求まるの?

むずかしい証明は抜きにして、イメージだけ紹介させてください!

エルボを真横から見ると、バウムクーヘンを切り分けた1ピースみたいな形をしています。90°エルボは、円をちょうど4等分した「90°分のピース」です。

ここから45°エルボを作る作業は、ピザを中心からまっすぐ切り分けるように、90°のピースから45°分だけ切り出すイメージになります。

このとき、切り出したおうぎ形の端っこから「両側の端面をまっすぐ延長して交わる点」までの長さが、ちょうど R×tan(θ/2) になる・・・というのが、この式のからくりです(おうぎ形と接線の性質です)。

ためしに式へ90°を入れてみると、tan(45°)=1なので、カット寸法=R

さっき出てきた「90°エルボのF寸法=曲げ半径R」と、ここでピッタリつながるんです。つまり元の記事の「インチ×38.1」は、この角度切りの式に90°を入れた特別な場合だったんですね。

・・・え?この式、すごくないですか?笑

スマホの電卓での計算手順

「tanなんて高校以来だよ!」という方もご安心ください。関数電卓がなくても、スマホの電卓で計算できます。多くのスマホは、電卓アプリを横向きにするとtanボタンが出てきます!(機種によって操作は多少違います) 50Aのロングエルボを45°に切る場合を例に、1ステップずついきます!

  1. 欲しい角度を2で割る → 45÷2=22.5
  2. tanを計算する → 「22.5」と入力して「tan」を押す → 0.4142・・・
  3. 曲げ半径Rを出す → B呼称×38.1 → 2×38.1=76.2
  4. 2と3を掛け算する → 76.2×0.4142≒約31.6mm

※1つだけ注意です!電卓の角度モードが「Rad(ラジアン)」になっていると、まったく違う数字が出てきます。tan(22.5)が0.414前後にならなかったら、「Deg(度)」モードになっているか確認してください!(私はこれで一度首をかしげました笑)

カット寸法早見表(ロングエルボ)

毎回計算するのも大変なので、よく使う呼び径×角度の早見表を用意しました!

呼び径 B呼称 曲げ半径R 15°に切る 30°に切る 45°に切る 60°に切る
25A 1B 38.1mm 5.0 10.2 15.8 22.0
32A 1・1/4B 47.6mm 6.3 12.8 19.7 27.5
40A 1・1/2B 57.2mm 7.5 15.3 23.7 33.0
50A 2B 76.2mm 10.0 20.4 31.6 44.0
65A 2・1/2B 95.3mm 12.5 25.5 39.5 55.0
80A 3B 114.3mm 15.0 30.6 47.3 66.0
100A 4B 152.4mm 20.1 40.8 63.1 88.0
125A 5B 190.5mm 25.1 51.0 78.9 110.0
150A 6B 228.6mm 30.1 61.3 94.7 132.0

(単位はすべてmm。JIS B 2312の寸法表をもとに計算しています) (参考)tan(θ/2)の値:15°→0.1317/30°→0.2679/45°→0.4142/60°→0.5774 ※ショートエルボの場合は、曲げ半径Rを「インチ×25.4」に置き換えれば同じ式で計算できます。

早見表を使うときの注意です!

  • 表の値は「芯から片側の切断面まで」の寸法です。両端を対称にカットしたときの全体を見るときは2倍してください
  • この値は板厚・開先・溶接のすき間(ルート間隔)を考えていない、純粋な図形上の寸法です。実際の工事では芯引きも必要になるので、最終的には原寸取り(型取り)での確認をおすすめします!

ちなみに私がこの計算式に一番お世話になったのは、弁(バルブ)の更新のときでした。新しい弁は形(寸法)が変わるので、つながっている油配管も改造が必要になります。検討の段階でエルボの寸法がサッと出せると、配管ルートの計算や打ち合わせが本当にスムーズに進むんです!

(切断や溶接そのものは、腕のいい職人さんの領域です。私たちは「どこをどう通すか」の寸法検討で、この式をフル活用していました!)

切断するときは、保護具も忘れずに!

式が分かると早速切りたくなるところですが、エルボの切断は高速カッターやバンドソー、グラインダーなどを使う作業です。最後に安全の話をさせてください!

  • 火花や切粉が飛ぶので、保護メガネは必須です
  • 切断面のバリ(切り口のトゲトゲ)は、素手で触るとスパッといきます。バリ取りや切断品の取り扱いには耐切創手袋がおすすめです

※ただし、回転する機械への巻き込まれの恐れがある作業では、手袋の使用が禁止されている場合があります。必ず職場のルールに従ってください!

保護具については、こちらの記事でも書いていますので、よければあわせてどうぞ!

【保護具】耐針手袋 インスリンガードに感動した話

さいごに

今回は、90°エルボの寸法計算と、角度切りの計算式についてまとめました!

  • 90°エルボのF寸法:ロング=インチ×38.1、ショート=インチ×25.4
  • この数字の正体は曲げ半径R(ロングは呼び径の1.5倍、ショートは1.0倍。※呼び径基準で、外径基準ではありません)
  • 角度切りは「芯から切断面までの寸法」=R×tan(θ/2)(θは欲しい角度)
  • スマホ電卓のtanで計算OK(Degモードになっているか注意!)

4年前は「初めて聞く言葉のオンパレード」だった配管の世界ですが、丸暗記だった式の意味まで分かるようになって、ちょっとだけ成長を感じています。。。笑 現場の用語については、こちらの記事もよく読まれていますので、あわせてどうぞ!

【5S3定】5S3定ってなに?工場で使われている用語を現場の実例つきで解説します!【2026年版】SQDCってなに?工場で使われている横文字を解説します!【なぜ安全が最初?】 以上!ご安全に!!!

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