【プロンプト付き】ヒヤリハット報告書、AIに手伝ってもらったら数分で書けた話

ヒヤリハット報告書、相棒と書くのアイキャッチ画像 AI活用

こんにちは、もこです。

ヒヤリハット報告書、正直めんどうですよね。「書かなきゃな」と思いつつ、つい後回しにしてしまう。現場で働いていて、私はいつもこんなことを思っています。

  • 作業の合間に、書く時間がない
  • その日のうちに書かないと、忘れてしまう
  • 作業に慣れてしまうと、あまり思いつかなくなってしまう

特に3つ目が地味に効きます。入ったばかりの頃は「危ない」と感じる場面がたくさんあったのに、慣れると同じ景色に見えてしまって、ヒヤリのタネに気づけなくなるんですよね。

でも、報告が集まらないと、危険の芽を早めに拾えません。1件の重い事故の裏には、29件の軽いケガと300件のヒヤリハットが隠れているという考え方があります(ハインリッヒの法則。1930年代に多数の労災データから導かれた経験則で、比率の数字そのものより「小さな異常のうちに芽を摘む」考え方が大事、と厚生労働省も説明しています)。ヒヤリハット報告は法律で一律の義務ではありませんが、厚生労働省や中央労働災害防止協会(中災防)も推奨する、現場の自主的な安全活動です。「出しやすい仕組み」があるかどうかで、集まる数が変わってきます。

そこで今回は、前職で経験した「出しやすかった運用」を紹介したうえで、書く手間を相棒のAIに手伝ってもらう実演をしてみました。そのまま使えるコピペ用プロンプトも置いておきます。

前職で「出しやすかった」ヒヤリハット報告の話

前の職場では、ヒヤリハット報告がわりと出しやすい運用でした(今は別の工場で現役ですが、この仕組みは前職での経験です)。

  • 小さい紙に、5W1H(いつ・どこで・誰が・何をしていて・どうなったか、を短い言葉で書き出す型)を書くだけ
  • 想定ヒヤリ(実際に起きたことではなく、「こうなっていたら危なかった」という想定のヒヤリ)もOK
  • 通勤中の出来事でもOK

この「気軽さ」が地味に効いていて、書くハードルが低いぶん、ちゃんと出てくる。様式がガチガチだと、みんな面倒になって出さなくなるんですよね(全国共通の決まった書式はありませんが、いつ・どこで・誰が・何をしていて・何が起きそうになったか・対策、という項目はだいたい共通しています)。

実演:走り書きのメモを、AIに手伝ってもらった

相棒とヒヤリハット報告書を書く三つの手順の図解

AIと一緒にヒヤリハット報告書を書いてみるのは、私も今回が初めての実演です。実際のやりとりをほぼそのまま載せます。

まず私が書いたのは、こんな走り書きのメモでした。

いつ:退勤中
どこで:〇〇道路で
誰と:私と
誰が:相手が
どのように・なにをした:夕暮れ時の見えにくいときにぶつかった
あなたならどうする:夕暮れ時は早めのライト点灯をし、歩行者に気をつけて退勤する

道路名は、自分から「〇〇道路」と伏せて書きました(個人や場所が特定できる情報を入れない、を自然にやったつもりです)。このメモをAIに渡すと、30秒もかからず、こんなたたき台が返ってきました。

🤖 AIの出力サンプル
【5W1H】
いつ:退勤中
どこで:通勤経路の道路上
誰が:私(車を運転)、相手(対向または近接の車両)
どうしていた時:夕暮れ時に走行中
何が起きそうになったか:視界が悪くなる時間帯に、相手の車と接触しそうになった

【原因の深掘り】
・薄暮(はくぼ。日没前後のうす暗い時間帯)は、一日のうちで最も物が見えにくい
・ライトを点ける前は、自分の車も相手から見えていない
・退勤の時間帯は、疲れで注意力が下がりやすい
・通い慣れた道だからこその油断

【対策案】
・早めのライト点灯(自分が見るためだけでなく、相手から見られるためでもある)
・薄暮の時間帯は速度を落とす
・交差点や横断歩道は「誰かいるかもしれない」前提で構える

確認したいことがあります↓

そして、AIからこんな質問が返ってきました。

相手は歩行者ですか、自転車ですか、車ですか?
実際に接触しましたか、それとも寸前で避けましたか?(体験したことか、想定のことかを教えてください)

地味に大事なやりとりです。AIは現場を見ていないので、聞くしかないんですよね。想像で埋められると、むしろ困ります。

私は「相手は車です」「想定です。夕暮れ時は視界が悪くなるので」と答えました。これで種別は「想定ヒヤリ(通勤中)」として完成。往復2回のやりとりで、実質数分。「書く時間がない」の壁が、だいぶ低くなる感覚がありました。

そのまま使えるプロンプト

ここからは、あなたの現場で使えるコピペ用プロンプトを置いておきます。

使う前に必ず確認してほしいこと。会社で外部のAI(ChatGPT・Claudeなど)を使ってよいかは、必ず社内ルールを確認してから使ってください。個人名・会社名・正確な場所は入力せず、私の実演のように伏字や一般的な言葉に置き換えてから使うのが安全です。

『[ ]』の部分を、角括弧の中身(「例:〜」も含めて)まるごと、自分のヒヤリの内容に書き換えてから使ってください。「例:」の文字は消してOKです。下のコードを丸ごとコピーして、ChatGPTやClaudeなどのAIに貼り付ければOKです。

あなたは、現場のヒヤリハット報告を書くのを手伝ってくれる、頼れる相棒です。
これから渡す私の走り書きのメモをもとに、5W1H形式のヒヤリハット報告書のたたき台を作ってください。

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【私のメモ】
■いつ:[ 例:退勤中、作業中 など ]
■どこで:[ 例:通勤経路の道路上、機械の周り など。正確な場所は書かず、ぼかして書いています ]
■誰が/誰と:[ 例:私と、相手が など。個人名・会社名は入れていません ]
■どのように・なにをした:[ 例:夕暮れ時の見えにくいときにぶつかりそうになった ]
■あなたならどうする(今後の対策として考えたこと):[ 例:早めのライト点灯をし、気をつけて退勤する ]
──────────────────────

【お願いしたいこと】
1. 上のメモを、いつ/どこで/誰が/どうしていた時/何が起きそうになったか、の5W1H形式に整理してください。
2. なぜ危なかったのか、原因をいくつかの角度から深掘りしてください。
3. 今後の対策案を、具体的な行動でいくつか挙げてください。「気をつける」「注意する」だけで終わらせないでください。
4. 実際に起きたことなのか、「こうなっていたら危なかった」という想定のことなのか、まず私に確認してください。
5. わからない点・決めつけられない点は、勝手に推測で埋めず、私に質問してください。
6. 出力の最後に「これはたたき台です。提出前に必ず自分で見直してください」と一言添えてください。

なお、このメモの中の場所・人物などは、個人名・会社名・正確な場所が分からないよう、あらかじめ一般的な言葉に置き換えてあります。そのまま扱ってください。
出力はすべて日本語でお願いします。

使い方のコツ

  • 場所や固有名詞は、自分から伏字にする …「〇〇道路」のように先に置き換えておくと安心です。
  • AIの質問には、遠慮なく答える …体験か想定か、相手は何だったか。正直に答えるほど、たたき台の精度が上がります。
  • 対策の最後の一言は、自分の言葉で …「本当にこの現場でできるか」は、最後に自分で足すのがおすすめです。
  • 思いつかない時は、ネタ出しも手伝ってもらえる …「最近の作業でヒヤリしそうな場面を、想定で挙げてほしい」と頼む手も。似た使い方はKY(危険予知)活動の記事でも紹介しています。

使う前に、これだけは

相棒に渡していいもの渡してはいけないものの図解

便利だからこそ、はっきり言っておきます。AIはあくまで下書きの相棒で、最終確認するのも、提出するのも、現場の人間です。次の点は外さないでください。

  • 個人情報・社外秘・実名はAIに入れない。当事者や同僚の氏名・所属、正確な場所、会社名は打ち込まないこと。場所は伏字、状況は一般的な言葉に置き換えれば、それで十分たたき台は出ます。個人情報保護委員会も、入力した情報が想定外の形で扱われるリスクを注意喚起しています。会社で生成AIの業務利用ルールがあれば、必ずそれに従ってください。
  • AIは間違えることがある。もっともらしい原因や対策を、自信たっぷりに出してくることがあります。内容が現場に合っているかは、必ず分かる人がチェックしてください。
  • 社内様式・規程が最優先。会社に決まった報告様式やルールがあれば、そちらを優先してください。
  • 最終判断・提出は必ず人間。「AIが言ったから」は理由になりません。

そしてもう一つ、一番大事だと思っていること。ヒヤリハットは、出す側にとっても受け取る側にとっても、あまり格好いい話ではありません。だからこそ「報告した人を責めない」という土台がないと、制度そのものが長続きしません。手順通りにやっていなかったことが原因でも、「その人が悪い」というより「手順のほうに無理があったのかも」と捉えるほうが、次に活きます。AIに手伝ってもらうのは、あくまで「出しやすくする」ための工夫の一つ。報告が集まってこその安全活動、というのは変わりません。

まとめ

ヒヤリハット報告書が続かない理由は、だいたい「時間がない」「忘れる」「慣れて思いつかない」のどれかだと思います。だったら、書く手間の部分だけAIに手伝ってもらえばいい。人間がやるべきなのは、「本当に起きたことか、想定か」を答えること、「この現場で本当にできるか」を最後に見極めること。ここは変わりません。

私自身、AIと一緒に書いたのは今回が初めてでしたが、走り書きのメモから数分でたたき台ができたのは正直助かりました。「書けないから出すのをやめとこ」が減るだけでも、報告文化にはプラスだと思います。よかったら、今日ヒヤッとした場面を一つ、この型で書いてみてください。

出典

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以上、ご安全に!!

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