【2026年版】9月・10月の工場の安全|日が短くなる秋に、家と通勤も地続きです

9月・10月の安全と健康 家・通勤・工場は地続き(秋の夕暮れに工場の門を出る作業者) 工場生活

最近は、暑さが落ち着いた日が増えてきましたね。夕方に工場の門を出ると、ついこの間まで明るかった空が、もう薄暗くなっています。

9月も半ばに入りましたが、9月から10月にかけては、防災・交通安全・労働衛生・健康・心の健康と、安全や健康にまつわる呼びかけがいくつも重なる時期です。ただ、それを一覧にして並べたいわけではありません。私が気になっているのは、そのどれもが「工場の中だけの話」では終わらないということです。

安全を考えるのは、仕事中だけじゃないと思うんです。

この記事でわかること

  • この二か月で、いちばんはっきり変わるもの
  • 家・行き帰り・工場・帰宅後、それぞれで気をつけたいこと
  • 9〜10月で日付が決まっていること(一覧)
  • 今月、ひとつだけ見直すならどこか

先に変わるのは、気温ではなく明るさでした

季節の変わり目というと、まず気温を思い浮かべますが、この時期にいちばんはっきり数字で見えるのは、実は明るさの変化です。

東京の日の入り時刻でみると、2026年9月1日(火)は18時09分。10月1日(木)には17時26分、10月31日(土)には16時47分まで早まります。9月1日から10月31日までの二か月で、約1時間22分早くなる計算です。

警察庁は、日の入り時刻の前後1時間を「薄暮(はくぼ)時間帯」と呼んでいて、この時間帯は例年、交通死亡事故が多く発生していると説明しています。周囲が徐々に見えにくくなり、車と歩行者、自転車がお互いに発見しにくくなるためだそうです。

日の入りは二か月でこれだけ早くなる(東京):9月1日18:09、10月1日17:26、10月31日16:47を時間軸に並べた図
▲東京の日の入り時刻。9月1日から10月31日までの二か月で、約1時間22分早くなる(国立天文台の暦計算室のデータをもとに作成)

屋内の作業場は照明があるので、屋外ほど季節の明るさの変化を感じにくいかもしれません。はっきり変わるのは、駐車場や構内の通路、屋外のヤード、そして通勤路です。先月と同じ時刻に同じ場所を通っていても、今はもう暗い。それだけのことで、お互いの見落としが起きやすくなります。

家でも、通勤の道でも、工場でも──季節を受け取っているのは、同じひとつの体です。

家を出る前に

平年でみると、台風の上陸がいちばん多いのは9月です

防災の日(9月1日)と防災週間(8月30日〜9月5日)は、もうすでに終わっています。9月まるごとを指す「防災月間」という国の制度はありません。

ただ、1991年から2020年までの30年平均でみると、台風の上陸数がいちばん多いのは9月で、平年値は1.0個(気象庁「台風の平年値」)。年間の上陸数3.0個のおよそ3分の1が、この1か月に集中している計算になります。2026年の9月にとりわけ台風が多い、という話ではありませんが、備蓄やハザードマップを一度見ておくには、ちょうどいい時期だと思います。

台風が近づいた日に出勤するか、早めに帰るか。その判断の基準や連絡の仕方は職場ごとに決まっているはずなので、荒れる前に一度確認しておくと迷わずに済みます。

長袖に替えた日の、袖口

衣替えで長袖に切り替える方も多い時期です。私はというと、作業着は一年中長袖です。前の職場で教わったことで、そのうえに手甲(てっこう。手首から袖口を覆う布製の防具)をして、手首や袖口を引き締めています。袖口や裾がだぶついたまま機械の回転部に近づくのは、巻き込まれのきっかけになりかねないからです。衣替えの時期に事故が増えるという公的な統計があるわけではありませんが、製造業で休業4日以上のけがをした人を事故の型で分けると、いちばん多いのは「はさまれ・巻き込まれ」です(厚生労働省・令和7年確定値)。この数字は衣替えや袖口を原因として出たものではありませんが、回転部の近くでは服装も含めて確認しておきたいところです。

長袖に替えたばかりの方は、袖口も一緒に確認しておくと安心です。朝晩と日中で気温差が出てくるので、脱ぎ着しやすい服装だと楽ですよ。

行き帰りに ── 暗い時間が、通勤にかかってきます

9月1日から、中央線などがない生活道路の法定速度は30km/hに引き下げられました。対象は中央線などがない生活道路なので、通勤で住宅街の道を通る方は、この9月から前提が一つ変わったことになります。

これに合わせるように、秋の全国交通安全運動が9月21日(月)から30日(水)まで実施されます。9月30日(水)は「交通事故死ゼロを目指す日」です。運動の趣旨には、秋口から年末にかけて夜間における歩行中の交通事故による死者数が多くなっている、とあります。

重点はいくつかありますが、私が特に意識したいのは2つだけです。ひとつは反射材の着用。もうひとつは、夕暮れ時の早めのライト点灯です。私は、帰る時間帯が薄暗くなってきたら、早めにライトをつけるようにしています。車を運転する側は「見る努力」、歩く側や自転車の側は「見せる努力」。お互いの努力で、事故が少なくなればいいなと思っています。(自転車や特定小型原動機付自転車の交通ルールも、今回の重点のひとつです。)

工場の駐車場から門を出るまでも、同じ理屈があてはまります。構内を歩く人とフォークリフトが行き交う場所では、照明が十分でない場所や薄暗くなる時間帯に、お互いを見つけるのが遅れやすくなります。

工場の中で

暑さは、まだ終わっていません

令和7年(2025年)は、非常に厳しい暑さが長期間続いた記録的な年でした。総務省消防庁によると、令和7年9月の熱中症による救急搬送人員は9,766人で、これは調査を開始した平成20年以降で2番目に多い数字だったそうです。5月から9月までの累計も、調査開始以来いちばん多い年でした。

暑さ指数(WBGT。暑さのきびしさを示す指数)と熱中症警戒アラートの情報提供は、10月21日(水)で今年の分が終わります(環境省・4月22日から提供中)。この日を過ぎても、体感の暑さがカレンダーどおりに下がるわけではありません。公式のアラートが出なくなったあとも、暑さが残る日は、職場で決めた基準や手順に沿って対策を続けることになります。熱中症対策の基準や職場の義務については、こちらの記事にまとめています。

10月1日から7日は、全国労働衛生週間です

10月1日(木)から7日(水)は、全国労働衛生週間です。準備期間の9月はもう始まっていて、ふだんの健康管理や職場環境を、年に一度まとめて見直す機会になっています。健診の結果に「要再検査」とあったら、そのままにしないこと。これも、この機会に思い出しておきたいことのひとつです。日程やスローガンなど、詳しくはこちらの記事にまとめました。

家に帰ってから

食べて、寝る。9月は「健康増進普及月間」です

9月はまるひと月が「健康増進普及月間」です(厚生労働省・9月1日〜30日)。今年の統一標語は「1に運動 2に食事 しっかり禁煙 良い睡眠 〜健康寿命の延伸〜」。同じ期間の「食生活改善普及運動」の重点テーマは「まずは毎日、あと一皿ずつ野菜と果物をプラス」です。標語は大きく聞こえますが、交代勤務なら何時に寝るか、休憩室で何を食べるか。私にとっては、そのくらいの大きさの話です。

「秋バテ」ということばを、この時期はよく見かけます。正式な医学用語ではないそうですが、暑さが落ち着いたころに夏のあいだの疲れがあとから出てくる、という感覚はわかる気がします。休めるときにしっかり休む話は、こちらの記事に書きました。寝具を夏用から替えるタイミングでもあります。

心の疲れも、体と同じ扱いで

10月10日(土)は、世界メンタルヘルスデーです。厚生労働省の令和8年度年間行事予定表にも記載されている日で、ちょうど全国労働衛生週間の翌週にあたります。体の調子と同じように、心の調子にも波があります。一人で抱えないことが大切で、相談したいときは、厚生労働省の「まもろうよこころ」で窓口を確認できます。

連休のはさみ方 ── 9月と10月、二回あります

9月と10月には、連休が一回ずつあります。9月は、敬老の日(9月21日・月)、休日(9月22日・火)、秋分の日(9月23日・水)が続き、土日休みの職場なら9月19日(土)から23日(水)まで5連休になります(交代制勤務では、必ずしもこのとおりに休めるわけではありません)。10月は、スポーツの日(10月12日・月)があり、こちらも土日休みなら10日(土)から12日(月)までの3連休です。

10月は毎年、年次有給休暇の取得を呼びかける期間にもなっています(厚生労働省)。連休前に気をつけたいことはこちらに、連休明けの安全についてはこちらにまとめています。

ここまでに出てきた日付を、確定しているものだけ並べておきます。色は場面ごとです(青=行き帰り、クリーム=暮らし、灰=工場)。

日程 内容
9/1〜 中央線などがない生活道路の法定速度30km/h(施行済み)
9月 健康増進普及月間・食生活改善普及運動
9/19〜23 連休(土日休みの場合)
9/21〜30 秋の全国交通安全運動(9/30は交通事故死ゼロを目指す日)
10/1〜7 全国労働衛生週間
10/10 世界メンタルヘルスデー
10/10〜12 3連休(10/12はスポーツの日・土日休みの場合)
10/21 暑さ指数(WBGT)の情報提供終了

まとめ ── 職場の外で、ひとつだけ

家を出る前の袖口、帰り道のライト、寝具の切り替え。ここまで書いてきたことは、実はぜんぶ、同じ一日のなかで起きています。

同じ一日の、同じ体:家を出る前・行き・工場・帰り・家の5場面を1本の線でつないだ図
▲家を出る前から、帰って寝るまで。全部つながった同じ一日です
家でも、通勤の道でも、工場でも──季節を受け取っているのは、同じひとつの体です。

職場の中の見直しは、全国労働衛生週間の記事のほうに書きました。この記事では、職場の外でひとつだけ。帰り道のライトを早めにつけること。寝具や寝る時間を見直すこと。家の備えを一度確かめておくこと。三つ挙げましたが、二か月で三つとも変えようとすると、たいてい一つも残りません。一つ決めて、それだけにするほうが残ります。

工場の中の安全対策は、こちらのページにまとめています。

家で寝て、道を通って、工場に入る。安全の話は、その途中のどこかで切れているわけではないと思っています。

以上、ご安全に!!

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参考

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