月ごとに目標を決める職場では、「11月の安全目標、何にしよう」と月末に手が止まることはありませんか?この記事では、11月にそのまま使える目標の例文を15本、テーマ別にまとめました。あわせて、先月の目標を3つの問いでふり返ってから決める方法もご紹介します。
11月は、秋の全国火災予防運動(2026年は11月9日〜15日)がある月です。法律で決められた「過労死等防止啓発月間」でもあり、朝晩の冷え込みも本格的になってきます。例文は、火の用心・冬の入口・働き方に、日暮れの早さ・かぜ・年末の段取りを加えた6テーマで組みました。
この記事でわかること
- 11月にそのまま使える安全衛生目標の例文15本(6テーマ・行動形)
- 先月の目標を、3つの問いでふり返ってから決める方法
- 次回、月の目標を決めるときの順番
11月の安全衛生目標、例文15選
各例文の末尾に、「誰が使うか」の目安として(班用)(自分用)を付けました。月の目標と今日の行動目標の違いは、10月の目標の記事で詳しく書いています。
どの例文も11月に限らず使えますが、11月は見直すきっかけになる月です。そのまま使っても、職場の言葉に置き換えても構いません。
①火の用心(秋の全国火災予防運動)
なぜ11月か:2026年の秋季全国火災予防運動は、11月9日(月)から15日(日)までの7日間です。今年度の全国統一防火標語は『火の確認 いい日を支える いい習慣』です。
- 油のしみたウエスは、ふたつきの金属の缶に入れ、職場の決まりどおりに片付けてから帰る。(班用)
- 電工ドラム(コードリール)は、表示の定格を守り、巻いたまま使わず完全に引き出してから使う。(自分用)
- 消火器の前に物が置かれていないか、11月の巡視で1回確認する。(班用)
前の職場では、電工ドラムは完全に引き出して使うのがルールでした。巻いたままだと、コードの熱が逃げにくいんですよね。
②冬の入口(朝の冷え・凍結・転倒)
なぜ11月か:厚生労働省は、冬は積雪や路面の凍結で転倒災害が多く発生する傾向がある、としています。全産業では、転倒がいちばん多い労働災害です(令和7年・休業4日以上。製造業に限ると、はさまれ・巻き込まれが最多です)。
- 朝いちばんは、日陰の出入口や外階段を、小さな歩幅で靴の裏全体をつけて歩く。(自分用)
- 出入口の転倒防止マットがずれていないか、始業前に確認する。(班用)
- 始業前の体操のあと、手首と足首も回してから作業を始める。(自分用)
私も朝いちばんに、出入口の日陰で滑りかけたことがあります。転倒の対策は、工場の転倒・つまずき対策の記事にもまとめています。
③働き方(過労死等防止啓発月間)
なぜ11月か:過労死等防止対策推進法で、11月は「過労死等防止啓発月間」と決められています。
- 残業が続いた週は、作業が一人に偏っていないかを班で見直す。(班用)
- 休憩は後回しにせず、作業を安全な状態で止めてから、決まった時間にきちんと取る。(自分用)
休むことも仕事のうち、という話は「休めるときに、しっかり休む」に書きました。
④日暮れの早さ(薄暮の時間帯)
なぜ11月か:10月の記事でも触れましたが、日没前後の薄暗い時間帯(薄暮・はくぼ)の死亡事故は、10月から12月にかけて大きく増える傾向があります(内閣府「令和元年交通安全白書」)。11月は、日暮れの早さを実感しやすい月です。
- 車で帰るときは、暗くなり始めたら早めにライトをつける。(自分用)
- 構内で暗くて見えにくい場所に気づいたら、その日のうちに場所をメモして班長に伝える。(自分用)
⑤かぜ・体調(空気の乾燥)
なぜ11月か:空気が乾いてくる季節です。ここは統計ではなく、かぜやインフルエンザに気をつけたい時期という、身近な話として入れています。
- 熱やだるさがあるときは無理をせず、職場の連絡ルールに沿って始業前に上司へ伝える。(自分用)
- 手洗い場の石けんとペーパーが切れていないか、毎日1回確認する。(班用)
⑥年末に向けた段取り(久しぶりの作業・大掃除)
なぜ11月か:年末に向けて、ふだんやらない作業や大掃除が増えてくる職場も多いのではないでしょうか?慌ただしくなる前の11月のうちに、段取りを決めておくと安心です。
- 久しぶりにやる作業は、始める前に手順書かKYで手順を1回見直す。(自分用)
- 大掃除で出る不要品の置き場所と回収日を、11月中に班で確認しておく。(班用)
- 大掃除で高い所を掃除するときは、脚立の使い方を作業前に班で確認する。(班用)
低い脚立でも油断はできません。高さの話は「1メートルは1命取る」に書いています。
決める前に、先月の目標を3つの問いでふり返る

新しい目標を考える前に、先月の目標を1回だけふり返っておくと、決めやすくなります。国のOSHMS指針(労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針)も、安全衛生目標を決めるときは、過去の目標の達成状況などを踏まえるよう求めています。難しく考えず、次の3つを班で話してみてください。
- できた? 掲げた行動が、実際にどれくらいできたか。
- できなかったのは、なぜ? 人のせいにせず、置き場所や時間、手順の問題として見る。
- 続ける?変える? できたら次の行動へ。できなかったら、原因が手順や置き場所ならそこを直し、行動を小さくしてもう1か月続ける。
私は、できなかった目標をそっと外すより、行動を小さくして続けるほうが、現場に残ると思っています。
前提と例外
毎月の安全衛生目標そのものを、法律が直接義務づけているわけではありません。根拠になっているOSHMS指針は、事業者が自主的に安全衛生活動を進めるための、国の指針です。
また、衛生委員会などを設けている事業場では、安全衛生の計画の作成・実施・評価・改善などについて、法律で決まった調査審議があります。目標を掲示しただけで、その代わりになるものではありません。
11月の過労死等防止啓発月間は法律で決まっていますが、国や自治体が啓発に努める月で、職場に目標の掲示を求めるものではありません。実際の運用は、職場のルールと安全衛生の担当者の判断を優先してください。
次回、月の目標を決めるときは、この順番で
- 先月の目標を、3つの問いでふり返る。
- その月の行事と季節の危険を拾う(11月なら、火災予防運動・冬の入口・過労死等防止啓発月間)。
- 例文を職場の言葉に置き換え、「何をするか」が確認できる形にする。
- 掲示板とKYボードの両方で共有する。
12月1日からは、中央労働災害防止協会の年末年始無災害運動(2026年度は12月1日〜2027年1月15日)も始まります。⑥の段取りは、その準備にもなります。
以上、ご安全に!!
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