お盆や年末年始などの長期休暇、最終日ともなると、気持ちはもうすっかり休みモードという方も多いのではないでしょうか。正直に言うと、私もそうです。頭の中は半分、休みの予定でいっぱいになっています。
ただ、その気持ちのまま職場を出てしまうと、休み明けに困ったことになりかねません。今日は、私が長期休暇の前に必ずやっているチェックを、実際の手順そのままお伝えしようと思います。
なぜ連休前のチェックが大事なのか
長期休暇の間、工場は基本的に無人になります。何か異変が起きても、すぐには気づけませんし、その場で対応することもできません。普段なら「あれ、なんか変だな」とすぐに気づけることも、何日も誰の目にも触れないまま進んでしまう。この「気づくまでの時間差」が、私が連休前のチェックを大事にしている一番の理由です。
特に夏場のお盆休みは、雨や雷が心配な時期でもあります。窓の戸締りひとつで、休み中の被害が大きく変わってきます。
また、工場によっては、電気設備の点検で計画的に停電することもあります(出典:経済産業省 関東東北産業保安監督部)。休みの間に電源が落ちる、あるいは休み明けに電源が入り直す、という前提で機械を止めておかないと、思わぬトラブルにつながります。
私が連休前に必ずやっているチェック
私が連休前にやっていることは、大きく分けて「電源まわり」「機械の眠らせ方」「油圧機器」「最後の見回り」の4つです。順番にお伝えします。
電源まわり:NC機器のバックアップ電池とプログラム
まず電源まわりです。NC加工機やロボットなどのNC機器には、機種によっては、プログラムや原点位置といった大事なデータを保持するための、バックアップ用の電池が入っています。交換時期が近そうなら、連休に入る前に交換しておきます。
このバックアップ電池、交換の際に電源を入れたまま行う機種と、電源を切ってから行う機種があります。自己判断はせず、必ず取扱説明書の手順どおりに行うようにしています。メーカーの公式サイトでも、長期休暇前の取り扱いについて案内が出ていることがあります(参考:ブラザー工業「機械の長期間休止前のバッテリー交換について」)。
あわせて、プログラム類のバックアップも欠かせません。電池切れなどで大事なデータが消えてしまうと、休み明けに一からプログラムを作り直すことになりかねないためです。
機械の眠らせ方:エアー断・ブレーカー断・コンセント抜き・防錆処理
機械は使わない間、しっかり眠らせておきます。私は、エアーを断つ、ブレーカーを落とす、コンセントを抜く、防錆処理をする、この4つをセットで行っています。
これは整理整頓の基本(5S・3定)にも通じる話だと思っています。使わないものは元の状態に戻し、必要なら保護しておく。長期休暇の前は、この基本が普段以上に効いてきます。
油圧機器:ワークを降ろす、できなければ最後にかけて切る
油圧機器は、ワークを降ろしてなるべく空の状態にしておきます。どうしても降ろせない場合は、油圧を最後にかけてから系統を切るようにしています。ワークを乗せたまま油圧を抜いてしまうと、落下などの危険につながるためです。
※ここで紹介しているのは、私が扱っている設備での例です。実際の止め方は、お使いの設備の取扱説明書や職場のルールを優先してください。
最後の見回り:戸締りとエアー漏れの確認
最後は工場全体の見回りです。戸締りを確認し、エアー漏れがないかも確認します。エアー漏れは、コンプレッサーが止まって工場全体が静かになったあとの方が、音で気づきやすいです。稼働中は他の音にかき消されてしまいますが、静かになった瞬間、シューという漏れの音に気づくことがあります。
戸締りは、見回りの中で一度確認して終わりにせず、最後にもう一度確認するようにしています。一度見ただけで安心せず、もう一段階疑ってみる。これはKY(危険予知)の考え方にも通じるところがあり、連休前は特に意識しています。
窓を閉めた確証がなくて、休み中に見に行った話
これは前の職場での経験ですが、窓を閉めた確証が持てなくて、休みの最中にわざわざ工場まで確認しに行ったことがあります。特に夏は雨が心配な時期なので、余計に気になってしまったのだと思います。
これ以来、窓の戸締りは念には念を入れて確認するようにしています。休みの日にわざわざ確認しに行くのは、想像以上に気が重いものです。あの経験があるからこそ、今の見回りが丁寧になっているのだと思います。
一般によく挙げられる連休前チェック項目
ここまでは私が実際にやっていることをお伝えしましたが、世の中で連休前のチェック項目としてよく挙げられるものも、参考までに紹介しておきます。私の実践とは分けて、一般的な項目として書きます。
- 火の元の確認
- ゴミの処理(放置すると休み中ににおいや虫の原因になるもの)
- 緊急連絡網の確認(何かあったときに誰に連絡するか)
- 防犯設備(センサーやカメラなど)の作動確認
現場や設備によって必要な項目は変わってくると思うので、自分の職場に合わせて足りないものがないか、一度洗い出してみるのもおすすめです。私の実践している項目と、こうした一般的な項目、両方を見比べながら、自分の職場のチェックリストを作ってみるとちょうどいいバランスになると思います。
最終日は、気持ちが緩みがち
連休前の最終日は、どうしても気持ちが緩みがちになります。私自身、「早く終わらせて帰りたい」という気持ちが顔を出すことがあります。ただ、そういうときほど確認が雑になりやすいので、最後まで気を引き締めるように気をつけています。
休めるときに、しっかり休むためにも、休みに入る前のひと手間を惜しまない。これが結局、一番の近道だと感じています。
まとめ
連休前のチェックは、地味で目立たない作業です。ただ、これをやっておくかどうかで、休み明けの安心感がまったく違ってきます。
今回紹介した内容が、みなさんの職場のチェックリスト作りの参考になれば嬉しいです。休みに入る前のひと手間は、結局は自分自身のためでもあります。安心して休みに入れるように、最後まで気を抜かずにいきましょう。
出典
- 経済産業省 関東東北産業保安監督部「主任技術者制度の解釈及び運用における無停電年次点検の適用の考え方について」
- ブラザー工業株式会社「機械の長期間休止前のバッテリー交換について」(工作機械 お知らせ一覧)
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以上、ご安全に!!






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