福島第一原子力発電所 ALPS処理水の海洋放出について調べてみました

工場生活

こんにちは!

ここ最近、福島第一原子力発電所の汚染水を処理した「ALPS処理水」の海洋放出が話題になっていると聞きました。
というのも、あまりTVを見なくなってしまい、時事問題にちょっと鈍感になっていて、今日職場の先輩から聞きました。

釣りが趣味の先輩なので海洋放出が気になったようで、私が前職で原子力発電所でも業務をしたことがあることを知っていたこともあって話題になりました。(※電力会社の元社員ではありません)

ということで、今回は福島第一原子力発電所 ALPS処理水の海洋放出について調べてみました。
日常生活を送っているだけでも被ばくしているなど、ちょっとした基礎知識があるだけで必要以上に恐れないことが出来ると思います。

では放射線やALPS処理水の海洋放出について私が知っている事、今回調べたことを書いていきます!

放射線は日常生活でも受けている

原子力発電所で業務をするには様々な教育を受けるのですが、そこで放射線は日常生活でも受けていることを学びます。
今回詳しくは説明しませんが、宇宙・大地・食物・空気中から被爆し、普通に生活しているだけで年間被ばくは2.1mSvになります。その他、航空機での移動が多い場合は地上より被ばく量が多くなります。
また、病院でCTやレントゲンをとると人工の放射線を受けることになります。

また、体内にも常に放射性物質は存在しています。

放射線(単位:Sv)と放射能(単位:Bq)は厳密に言うと示している事が違うため原子力発電所から出た廃棄物と一緒にしてはいけないのですが、ラジウム温泉(外部サイトに飛びます)というものも存在しますし、私の家の近くには北投石(外部サイトに飛びます)を使用したお風呂があるスーパー銭湯もあります。
私たちは、普段から健康に害がない程度に、更には健康目的で一時的に低線量で安全とされている放射線を受けていることになります。
この前提を知っていると、放射線について正しく恐れる(必要以上に恐れない)ことが出来ると思います。

では今回は実際に何が放出されるのか見ていきたいと思います。

まずはALPS処理水について

まずはじめに海洋放出するのは汚染水ではなく、ALPS処理水です。
ALPS処理水は放射性物質を含む水について、トリチウム以外の放射性物質(セシウムやストロンチウムを含む大部分の放射性物質)を安全基準を満たすまで浄化した水のことです。

福島第一原発では、原子炉の内部に残る、溶けて固まった燃料(燃料デブリ)を冷却するために水をかけ続けていること、雨水や地下水が原子炉建屋内に流入することなどにより、高い濃度の放射性物質を含んだ汚染水が発生しています。この汚染水を、多核種除去設備(ALPS)などでトリチウム以外の放射性物質を規制基準以下まで浄化した水が、ALPS処理水です。

※トリチウムは自然界にも存在すること、放射線のエネルギーが弱いこと、皮膚を通ることができないなど、外部被ばくによる影響はほとんどないと言われています。また、内部被ばくにおいても、トリチウムは水と同じように体外へ排出されます。
体内で蓄積・濃縮されないことが確認されている為、他の放射性物質と比べて人体への影響は低いと言われています。
(もし体内に蓄積してしまうと、蓄積した場所がしばらくの間、被ばくした状態になってしまう為、体内に蓄積しないことは重要なことだと思います。)
トリチウムはβ線を放出していますが、放出エネルギーが小さい為、紙で遮蔽できるようです。

ALPS処理水の海洋放出について

IAEAの基準では、トリチウムの濃度が1リットルあたり1,000ベクレル以下であれば、海洋放出しても環境や人体に影響を与えないとされています。ALPS処理水の海洋放出では、この基準を満たすように海水で希釈して放出されることになります。

したがって、ALPS処理水の海洋放出による人間への影響は、ほとんどないと考えられます。

海洋放出した場合の影響は、冒頭で書いた日常生活で受ける1年間の線量が2.1mSvに対し、その10万分の1となる0.0000018~0.0000207mSvになっているそうです。

最後に

まず大前提として、今回放出するとされているものは、「汚染水」ではなく処理済みの「ALPS処理水」です。
ALPS処理水は、体内に蓄積しやすい、セシウムやストロンチウムなどの有害物質の大部分を除去し、他の放射性物質と比べて、人体への影響は低いと言われているトリチウムが残った処理水です。今回はそのALPS処理水を、IAEAの基準である1リットルあたり1,000ベクレル以下に海水で濃度を下げて海洋放出するという話です。

実は私も原子力発電所への出張の連絡があった際にはちょっと抵抗がありました。
それは原子力や放射線への知識がなかった為、何となく「危ない」と感じていたからです。
実際には事前教育で危なくないことは理解できましたし、原子力発電所内の執務場所では外よりも線量が少なかったり(場所によります)驚きがあったことを思い出します。

日常生活を送っていても被ばくしていることなど、ちょっとした基礎知識を知るだけで、正しく恐れる(必要以上に恐れない)ことが出来ると思います。

もちろん、今正しいと言われてることが将来は間違っていたとなるかもしれませんし、
今回は海洋放出なので、海流によっては濃度が高くなってしまうんじゃないか等、様々意見があると思います。
ただ、漠然とした不安を抱えている方は資料や数値を見てご自分で考えてみることをお勧めします。

今回、省庁や電力会社のHPや資料をたくさん見ましたが、消費者庁の「食品と放射能Q&A」という資料が日常生活に寄り添ったわかりやす資料だと思いました。
(ここまで書いてから見つけました。。。)

その他参考になるHP
では今回はこの辺で。
ご安全に!!

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